『社員をサーフィンに行かせよう』が「会社のビジョン」と「働き方」に与えた影響

nDの中原です。前回の記事でお伝えした通り、nDは社員全員がリモートで働き、顔を合わせるのは月に1回程度。リモートでありながらチームとして一緒に働くためには、会社のビジョンであったり、働き方の工夫がとても重要です。本日は、nDのビジョンと働き方に影響を与えた書籍『社員をサーフィンに行かせよう』について紹介します。

「社員をサーフィンに行かせる」根底にある価値観

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書籍『社員をサーフィンに行かせよう』は、パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードさんが、パタゴニアの働き方について紹介したもの。イヴォンさんは本書の中で、社員をサーフィンに行かせる4つの理由を以下のように解説しています。

1.サーフィンに行くことで仕事が遅れたら夜や週末に仕事をする。社員一人ひとりがそう判断できるような「責任感」を持ってほしいから
2.「午後にいい波が来るのでサーフィンに出かけたい」と思えば、その前の数時間の仕事はとても「効率的」になるから
3.いい波が来ることを事前に予測できないので、いい波が来たらすぐに出かけられるよう「融通をきかせられる」ようになるから
4.「私がサーフィンに行っている間に電話が来たら、受けておいてほしい」と、お互いの仕事を助け合える「協調性」を持てるようになるから

4つの理由の根底にあるのは、「フレックスタイム」と「ジョブシェアリング」の考え方。会社が従業員を信頼し、従業員が会社を信頼しているからこそ成り立つ働き方です。

nDのビジョンはどう生まれたのか?

僕がnDを立ち上げたのが2011年。従業員は自分ひとりだけの会社として、しばらくはやっていくつもりだったんです。でも、会社にしたことで、徐々にアルバイトの方に仕事をお願いすることも増えていきました。

自ずと「強いチームを作るにはどうすればいいのか」という問いを、自分の中で持つようになったんです。その時に読み返したのが、この本でした。

nDのビジョンを考える時も、本書を参考にしました。パタゴニアの場合は、自社の製品を実際に使ってみるという意味合いで、サーフィンに行くことを推奨しています。言い換えるならば、彼らが大切にしている価値は「会社の外に出て、自社製品で遊ぶこと」。

「会社の外に出ていくこと」をnDに置き換えてみると、画面の中のインターネットに閉じているだけではなく、インターネットの外側に出ていくべきという考え方になります。

「インターネットを使って、インターネットの外側を、もっと楽しく、そして、より豊かに。」

nDがスタンディングデスク「Erectus」をつくったりと、インターネットからはみ出した取り組みを行うもの、このビジョンがあるからこそ。

フリーランスにとってのタイムキーパーの重要性

イヴォンさんは本書の中で「私たちの会社では、本当に社員はいつでもサーフィンに行っていいのだ。もちろん、勤務時間中でもだ。平日の午前十一時だろうが、午後二時だろうがかまわない。いい波が来ているのに、サーフィンに出かけないほうがおかしい。」と語ります。

サーフィンが趣味の宮本くんに言わせると、「波はコントロールできないから、仕事のペースをコントロールする」のだと。他の趣味と異なり、サーフィンの場合は波が気まぐれなので時を逃すと遊べません。仕事を効率的に終わらせる方法や、タスクの優先順位の付け方について、「サーフィンから学ぶことができた」と宮本くんはよく言っています。

フリーランスとして働いていると、夜遅くまで非効率にだらだらと仕事をしてしまうこともありますよね。自分にとってタイムキーパーとなるものを持つことで、より効率的な働き方を実践していきたいです。

効率的な働き方といえば、nDでは「作業の邪魔をしない」という考え方を大切にしています。次回は、仕事仲間の作業を邪魔しないためにできることを取り上げようと思っています。それでは、お楽しみに!

<編集・岡田弘太郎>